玉川温泉の敷地内には、延長1キロの自然研究路があり、道路沿いにいろいろな火山伝現象を見て回ることができます。
ここ玉川温泉は、天然記念物に指定されている北投石が形成される世界でも貴重なところ、北投石はここ玉川と台湾の新北投温泉、アルゼンチンの三箇所でしかお目にかかることはできません。
自然研究路の入口は、日帰り客用の駐車場と温泉宿の中間にあり、沿道の進行方向左側にある公衆トイレが目印です。
順を追って説明いたしますので、参考にしてください。
まず、進行方向右側に地下から吹き出た源泉が川になって流れているのが見えます。
右の写真のように、川の中には硫黄の湯花をせき止めておく樋が造られており、黄色の硫黄がビッシり溜まっています。
水自体の色も、濃度が高い塩酸が混入しているため、深い青みを帯びています。
周辺には卵が腐ったような硫黄臭が漂い、目と鼻から入ってくる情報すべて、玉川温泉の泉質の強烈さを物語っています。
左手に視線を移すと、玉川薬師神社の赤い鳥居が見えますが、この辺りはラジウムに含まれるラドン元素の放出量が豊富だということと、このエリアには岩盤浴に利用する小屋以外に日陰がないという理由からか、たくさんの方々がむしろを敷いて岩盤浴をしています。
玉川温泉は、岩盤浴による神経痛・リュウマチなどの関節系病の温熱治療やガンに効果があるとの評判が広まり、全国各地から湯治客が集まってきます。
ゴザを持ちながら自分の病に最も適した場所を探し歩く湯治客の姿は、玉川温泉独自の風景になっています。
研究路の中ほどには、一番の見所「大噴」があり、毎分8,400リットルの湧出量を誇る源泉がグツグツと噴出しています。
お湯不足に悩み水道や井戸水を沸かして循環湯に頼らざるを得ない大温泉地の経営者であれば、喉から手が出るくらいうらやましい光景でしょうね。
地熱による熱効果が高いため、この辺にも狭い岩場の間をぬってむしろを敷き、岩盤浴をおこなっている方々がたくさんいます。
一般常識ならば、研究路沿いなので気後れもするでしょうが、効果がある場所なので人目など二の次といったところでしょうか。
もう少し先へ行くと、右手に岩盤浴をおこなう人たちのために、「皆さん岩盤浴はここでしてくださいと」と施設側で建てた小屋が3棟あります。
なかにいる人は、上半身裸の人もいるなど、それぞれ思い思いの格好で岩盤浴をおこなっています。
この小屋を過ぎてもう一歩きすると、右の岩壁にいくつもの噴気孔が口を開け、地下のガスが轟音とともに噴出しています。
このガスは、水蒸気、硫化水素、二酸化硫黄を含む100℃以上の高温ガスで、噴気孔の周辺にはガスの中の硫黄分が付着した鮮やかな黄色の結晶がみられます。
焼山や後生掛温泉に続く散策コースが、この自然研究路の終点になっていますから、お時間のある方はこれらの景勝地までハイキングを楽しんでもおもしろいと思います。
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